動物実験に関して国会で議論していただきたく要望致します。
昨年末、厚生労働省が来年度から動物実験代替法の開発に乗り出すことを発表しました。
これは動物実験廃止を望む過程において大変喜ばしいニュースですが、アメリカではさらに画期的な喜ぶべき法案が可決されました。
新薬開発における動物実験の義務付けを撤廃するFDA近代化法です。
これによりアメリカでは新薬の開発に動物を犠牲にする必要は無くなりました。
その結果、医薬品開発期間は半分となり、研究開発コストを5分の1にできるため医薬品価格を大幅に下げられるそうです。
最近の研究ではヒトに摂取された薬物の有害な副反応は、その63%が動物では起きていないことが示されています。
また、動物で安全かつ効果があるとされた薬物の95%がその後のヒトでの臨床試験に失敗しているそうです。
EUでは2013年に域内での化粧品の動物実験および動物実験をされた化粧品の販売が禁止され、EU以外の国にもその流れは広がってきております。
日本でも動物愛護法に基づいて「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」がありますが、日本には実験施設を登録する義務はなく、査察する仕組みもない中、その基準が守られているか否かは甚だ疑わしいものです。
行政が実験施設の拠点数や動物実験の概要、犠牲数などを全く把握していない状況は大いに問題があると思います。
教育機関での動物実験に関しても甚だ問題があります。
中学校から大学に至るまで、解剖実習をはじめ、すでに結果のわかっている事柄を追体験するための様々な動物実験が行われています。
医学部、獣医学部などでは動物での手技の練習もカリキュラムに含まれています。
EUやアメリカでは「臨床現場での実習を充実」「バーチャル体験できるシミュレータや精巧な模型を使用」等に切り替えた学校も増えています。
英国では実験動物で手技の練習をすることは法律で禁じられています。
2016年には、米、カナダの全医学部で生きている動物を使う実習が廃止されました。
日本は動物福祉に関しては諸外国から相当な遅れを取り、国内外から動物福祉後進国と批判されています。
日本が動物福祉に関しても先進国となるためにこの問題を国会で取り上げていただき、建設的な議論をしていただきたくお願い申し上げます。
要望
1.新薬開発における動物実験の義務付けの撤廃
2.化粧品の動物実験、および動物実験された化粧品の販売の禁止
3.動物実験施設と実験動物販売業の許認可制
4.教育機関でのカリキュラムの見直し (臨床実習の拡充、模型やシミュレーターによる手技の実習)
5.代替法へ移行する企業や教育機関への補助金の拡充
以上、この問題に真摯に取り組んでいただき、一番の弱者である動物達にも配慮のある政党であることを国民に示して下さい。
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